下町フネ子の子育て、通院、時々仕事

ある日突然、目に悪性リンパ腫があると告げられた2児の母のブログ。これから起こるであろういろんなことを、前向きに乗り越えたい。

悪性リンパ腫の検査と授乳 〜本当におっぱいやめなきゃダメですか?〜(その3)

※はじめに

この記事の内容は、あくまでも私(医療に関してド素人)が勝手に調べて実践した内容です。この記事の内容通りのことを、読者の皆様にお勧めするわけではありません。が、授乳しながら病気療養中、検査進行中の方にとって少しでも参考になればと思い、書きました。記載通りのことを行って万が一何かあったとしても責任は負えませんので、ご了承ください。

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主治医からPET/MRI検査の中止を提案されたものの、中止するか否かを巡って夫婦で対立していた私たち。私は、娘に断乳の苦しみはもう味わわせたくないので、検査中止もやむなし、ただ、「授乳継続しながら検査」の一縷の望みを、成育医療センターの問い合わせ窓口に託すことにし、再び電話してみることにした。

 

9月のある平日の午前9時50分。娘は抱っこ紐の中で寝ている。母子手帳、主治医からもらった検査の説明文書、メモを手元に揃えて、携帯を握りしめてソワソワ。9時59分50秒。電話してみると…

繋がった!!

問い合わせ窓口の方「使用されるお薬の具体的名称と、投与量を教えてください」

 

へ???

私「PET/MRI検査で使うガドリニウム造影剤と、放射性医薬品なんですけど」

窓口「具体的な名称がないとお調べできないので、今一度おかかりの医療機関に問い合わせてから再度お電話いただけますか」

私「あの、先週からずっと電話してて、今やっと繋がったんです。繋がりやすい時間などあれば教えていただきたいのですが」

窓口「うーん、やはり週明けはお電話が集中しますが、それ以上のことは何とも…」

 

思わぬところで足元をすくわれてしまった。

しかし、次に病院に行くまで日がないので、何としてもこの日中に成育から回答を得ないといけない。躊躇する間もなくがん専門病院でもらった説明文書に書かれていた検査フロアの直通電話に問い合わせ、使用する薬剤名と投与量を聞いたら、快く教えてくれた。また、24時間授乳をやめなければならない根拠もさらっと聞いてみると、「どちらのお薬も、体の中で半分代謝されるまでの時間、これを半減期というんですけど、2〜3時間程度です。ただ、その後も体の中にお薬は残るので、授乳は控えてほしいのと、放射性物質を含む薬を使うこともあるので、最低限の抱っこ以外は、24時間乳幼児との接触も控えるよう指導させていただいています」とのことだった。

 

さあ、気を取り直してひたすら電話。昔、ラジオ番組にリクエスト送りたくて電話をかけまくったことを思い出しつつ、小腹が減ったので納豆ご飯を書き込みながら電話。30回くらいかけたところだろうか。まさに納豆ご飯が口の中に入っている瞬間に電話が繋がり、無駄に焦ってしまった。

先ほど電話したが、情報が足りなかったので調べ直して今一度お電話しました、と説明すると、「それでは担当におつなぎしますので少々お待ちください」とのこと。

「はい、成育医療センター授乳と薬相談窓口の医師の○○です」

すごい!お医者さんと話せるんだ!!

娘の月齢や生まれた時の体重、これまで授乳中に薬を飲んだことがあるか、等の内容を簡単に質問され、答えた後、こちらから、使用する薬と投与量を伝えた。

以下、先生からの回答。

ガドリニウム造影剤 の半減期は2〜3時間程度。これ以降であれば、造影剤の母乳への移行量はほとんどないので、授乳再開しても問題ない。

・放射性医薬品(FDG)については、情報なし。

 (私から、この薬も半減期は2、3時間と聞いているのだが、と尋ねると)

・そもそも、薬が母乳に移行するのはごくわずかな量なので、赤ちゃんが母乳を介して薬を口にして何か起こるような薬であれば、母体にも相当な副作用が出るはず。

最後に、「今回の回答を踏まえ、薬を使用する際に授乳を続けようと思ったか」という点も確認された。

 

電話を切った瞬間、パーっと目の前が明るくなった気がした。

検査の説明文書には、使用するいずれの薬も重篤な副作用は確認されていないとある。なら、きっと大丈夫なはずだ。次主治医の先生に会う際に、成育に確認して「おそらく大丈夫」と言われたという点はきちんと伝えた上で、検査当日の夜くらいから授乳を再開しようと心に決めた。

 夫にも電話し、検査を受けること、成育の先生からのアドバイスを踏まえてその日のうちに授乳再開しようと思う、と伝えた。わかった、と返事があった。

 

成育の電話相談窓口は、専門の医師が対応してくれるので本当に心強かったが、何しろ電話が繋がらず、大変な思いをした。

一般的な薬の授乳に対する影響は同病院のホームページでも公開されているので、成育の窓口に電話しようと思っている人は、まずこちらを確認してほしい。

私のように、日本全国から、この窓口を頼って電話してきている人はたくさんいると思うので。

成育医療センターの授乳と薬相談窓口はこちらです

妊娠と薬情報センター:授乳と薬のご相談について | 国立成育医療研究センター

 

そして、医療関係者のみなさんへ。

授乳中の女性、というのは、「点」で見たら人数は少ないけれど、一生の間に妊娠、出産、授乳を経験する人数、つまり「線」で捉えた人数はそれなりの数いるはずです。

妊娠、出産、授乳を理由に、医療者側が検査や治療に必要な薬を使わない(あるいは、患者の自己判断で「どうせ薬飲めないから」と通院しない)ことで病気が悪化したり、最悪命を落としているお母さんがいるかもしれないと考えると、とても悲しくなります。

どうか、「薬の添付文書に書かれているから」という理由だけで、授乳中のお母さんに授乳を控えるよう指導するのは、できることならやめてほしいです。完全母乳で育っている赤ちゃんにとって、母乳は唯一無二の栄養です。うちの娘のように、何度練習しても哺乳瓶を受け付けてくれない子もいます。

より多くの母子の命を守るためにも、「薬の種類によっては、授乳してても投与して問題ない」という認識が広まることを切に願います。