悪性リンパ腫の検査と授乳 〜本当におっぱいやめなきゃダメですか?〜(その2)
※はじめに
この記事の内容は、あくまでも私(医療に関してド素人)が勝手に調べて実践した内容です。この記事の内容通りのことを、読者の皆様にお勧めするわけではありません。が、授乳しながら病気療養中、検査進行中の方にとって少しでも参考になればと思い、書きました。なお、記載通りのことを行って万が一何かあったとしても責任は負えませんので、ご了承ください。なお、私が結局どうしたのかを知りたい方は、「その3」を読んでください。
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CT検査後の24時間断乳でさながら地獄絵図のような事態に見舞われた我が家。
検査の翌々日、娘は発熱。RSウイルスがやっと完治したと思っていたところだったので、なんともやりきれない気持ちになった。
それもあり、何としても断乳せずに済む方法を考えようと、ネットで調べてたどり着いたのが助産師HISAKOさんのブログのこちらの記事。
CTの一般的な造影剤は『水溶性ヨード造影剤』です。
静脈から注射され、血液と一緒に循環して、
最終的に腎臓で血液から尿へと流れていきます。MRIの一般的な造影剤は『ガドリニウム造影剤』
これも血液と一緒に流れて
腎臓から出ていくのは同じです。薬剤添付文書では、
授乳中の女性がCTやMRIの造影検査を受けた後は
一定期間の授乳禁止を勧めていて
CTでは48時間、MRIでは24時間としています。その科学的根拠は?
CT造影剤では「ラットの実験で乳汁中に排泄される」
MRI造影剤では「ヒト母乳中へ移行する」添付文書に書いてある情報は
実はたったこれだけ。(中略)24時間やら48時間やら、
いったいどこから出てきた数字なんだか?
具体的な厳守時間を提示するにはまったく不足な
情報量だと思います。ちなみにアメリカ放射線専門医学会では、
CTやMRI造影剤が母乳を介して赤ちゃんに移行する量は
極めて微量なため、検査直後から授乳しても
安全であると勧告しています。点滴で静脈から注入する造影剤の母乳への移行は、
投与3〜6時間後に母体血中濃度がピークとなり、
その後、母体から排泄されるスピードは
とても速いです。注入24時間経った時点の乳汁移行量は
ほんの微量、母体投与量のたった約0.5%。
また、造影剤入りの母乳を飲んだところで
赤ちゃん消化管からの吸収はほとんどなく
0.1%未満だということが判明しています。
(中略)結論は
『造影剤使用のCTやMRIのあと授乳をやめる必要はない』
ですね!
実際、ESUR(造影剤ガイドライン)にも
「造影剤投与後すぐに授乳しても
まったく大丈夫なんだよ〜」と記載されています。
この記事…検査の前に読んでいたかった!!!あの24時間は一体なんだったんだ、と思いつつも、「PET/MRI検査を断乳せずに行う」という私の希望の実現に向けて、一筋の光がさしたような思いがした。
また、同記事の中には「成育医療センターに授乳と薬の相談窓口がある」との記載も。
早速成育医療センターのホームページにアクセスしたら、残念ながらその日は受付時間を過ぎていたので、翌日チャレンジ。平日10時から12時なので、上の子を保育園に送って帰宅したらすぐに電話しようと意気込むも、まあ風邪を引いた0歳児を抱えていてはそう簡単には行かないのが現実。なかなか繋がらないので、翌日も、その翌日もチャレンジしたが繋がらなかった。さすがに心折れて、通っているがん専門病院の相談窓口に電話したら、主治医の先生に繋いでくれた。
「先生、先日のCTの後に断乳したら、娘が脱水症状に近い状態になってしまい、その後熱を出してしまって、見ていられないくらい辛そうで、私自身もかなり参ってしまっているのですが…」
すると、先生からは意外な回答があった。
「それなら、検査をやめましょう。検査をするメリットよりも、デメリットの方が大きい。検査のために、お子さんを命の危険に晒すわけにはいきませんから。PET/MRIの検査が実用化されたのは、ここ2、3年のことなので、PETなしでもリンパ腫の全身への転移の有無を見極めることはできます。逆に、PET検査をしても100%ではありませんので」
それなら、検査やめちゃってもいいか。と思い「じゃあ、検査はキャンセルにしてください」とお願いし、その旨を夫にLINEしたら、電話がかかってきた。
「勝手に検査をキャンセルするなんてありえない。断乳するのはたった一日だろ。検査受けろよ。長い目で見れば検査する方が大事にきまってる」
なにそれ。
「たった」一日って。
絶句して、電話を切った。
自分は、あの日の夜中寝てたくせに。
翌日、笑わなくなった娘のことも、見ていないくせに。
娘の病み上がりに断乳して、「たった」一日の間に何かあったらどうするの。
正論を振りかざして、私のことを追い詰めないで。
LINEに怒りをぶちまけて、夫に送った。
とはいえ、成育医療センターに問い合わせができたわけではないので、授乳しながら検査ができる、という可能性も残っていることを思い出し、主治医の先生にもう一度電話して、「検査の予定はまだ確保しておいてください。次病院に行くときまでに結論を出します」とお願いした。
その日から数日、私と夫は口をきかなかった。
私の気持ちは、一層不安定になった。
体も思うように動かず、突然涙が込み上げてくることもあった。
憂鬱な週末を過ごし、週明け、藁にもすがる思いで、成育医療センターに再び電話をかけた。
その3に続きます。