下町フネ子の子育て、通院、時々仕事

ある日突然、目に悪性リンパ腫があると告げられた2児の母のブログ。これから起こるであろういろんなことを、前向きに乗り越えたい。

専門医による診察結果#2 〜母さん、おっぱいやめるってよ〜

日付は8/24としていますが、これを書いているのは9月です(汗

 

目の組織を切り取って検査に出した結果、やはり「悪性リンパ腫(MALT型)」とのことでした。

 

診断がつき、安心しました。もっと悪い病気だったらどうしよう?って思っていたから。事実がわかると、気持ちを切り替えて、もう治すしかない、という気持ちになれます。

 

リンパ腫の場合、体の他の部分に転移していないかを診る必要があり、そちらの専門は血液内科の先生なので、今日一緒に受診してください、と言われました(前回診察の時に眼科の先生があらかじめ予約は取ってくれていました)。

 

血液内科は同じ階にあり、受付を済ませ、娘を夫と交代であやしながら待つ。月齢も上がってきたので、ずっと抱っこ紐の中にいると退屈するみたいです。周囲の患者さんは軒並み年齢が高い。ネットで、悪性リンパ腫は60代くらいの患者さんが一番多いと見た通りの印象。それなのになんで私がなるんだろうなぁ、とぼんやり考えていたら名前を呼ばれました。先生が診察室から直接放送で患者さんを呼ぶシステム。滑舌悪くて診察室番号聞き取れず(汗

ぶっきらぼうな先生かと思いきや、そこそこ若い、とても感じの良い先生でした。私の目の状況を簡単に診察したのち、そもそも悪性リンパ腫とはなんぞや、ということからその場で図に書いて丁寧に説明してくださいました。私がふんふん、とさほど動揺も見せずに聞いているので、先生が「事前に勉強されました?」と聞いてきました。

えぇ、まぁ、多少は…と答えましたが、実際はMALT型リンパ腫って検索して出てきたページほとんど読みましたよ。。。とは言わなかった。

 

全身の検査が必要になるので、今後行う検査は

○血液検査

○CT

○骨髄検査

胃カメラ

○PET/MRI

と、かなり盛りだくさん。中でも、CTとPET/MRIは検査後しばらくの断乳が必要とのことで、夫が最後に「この検査全部やる必要があるんですか?」と質問。

それぞれの検査に長所短所があるので、ひとまず全部検査して総合的に判断することになるんだそうです。

検査の説明文書や同意書などを渡され、診察終了。

血液検査とCTは即日行うことになり、そのまま検査フロアに向かいました。

血液検査は試験管10本分。。。ですがすぐに終了。

 

ちょっと長くなったので、CT検査とその後の断乳のお話は別記事にしたいと思います!

 

 

病院に着いた

久しぶりに電車に乗る娘。抱っこひもの中でバタバタ。外に出たいらしい。

一緒に景色を眺めたり、歌を歌ったり。
それでも、とても長く感じた。

病院到着。

機械に診察券を通すと、「計算カード」が出てくる。待合に入り、計算カードのバーコードをリーダーにかざすと、受付完了。

ソファに座ってぼんやり。夏休みも終盤だからか、子どもが多い。娘も起きる(イマココ)

さて、授乳してくるかー

私が通っている病院の受付方法とかは今度まとめます。

わからないことの辛さ

初めてがん専門病院を紹介されたときはポカーン、という感じで、家族に報告するときも他人事のように話していた。

その後、色々調べようとすると、何もわからない。

初診の日をただひたすら不安に待つ日々。

そして初診。

そこでも何もわからない。

検査結果は明日。

ブログを打つ手が震えている。

勤め先の先輩に恐る恐るメールした。
責任ある立場にいながら、昨年婦人科系の悪性腫瘍の治療を乗り越えられた方。

昼休みだったこともあってか、ものの数分で

気持ちが痛いほどわかるよ。大変だね。私と話すことで力になるならいつでも言って。

との返事が。

救われた。
思い切り泣いてしまった。

なんでもネットで調べれば、真偽はさておき溢れんばかりの情報が出てくることに慣れきっている中、私の病気のことを調べても、出てくるのは以下のみ。

○おそらく元ネタは同じ人が書いたであろう一般向け記事数件
○学術論文、学会誌数件

英文の論文もチラ見したけど、専門用語がわからず諦めた。

人生の中には「結果待ち」の場面がいくつかあるけれど、「ダメだったらダメだったでどうにかなる」タイプのものと、そうでないタイプのものがある。

今回は後者。

「ただひたすら、無心で待つ」ことなんてできない。無理。

そんな私を、家族が見捨てないでいてくれてるのがせめてもの救い。

日常の匂い

子どもたちを自転車に乗せて
生ぬるい風を浴びながら走る

魚の焼ける匂い

どこかのおうちから漂うシャンプーの匂い

みんなそれぞれ、いろんな日常を生きている。
今日も一日がつつがなく終わろうとしている。

感謝。

検査結果まであと2日

子どもたちが泣くと、
私が不安なせいだ、と思う。

すぐに涙が出てくる。

お医者さんの見立てでは
「天寿を全うできるくらい進行の遅い腫瘍」
の可能性が高いと言われたけれど

まだそうと決まったわけではない。

大した病気じゃないかもしれないのに泣いてばかりの私は、弱い人間なんだろうか。

専門医による診察結果 #1

受診当日、娘の高熱が下がらないままだったので、在宅で仕事をしている義母&病児シッターさんに娘をお願いし、朝からバタバタと家を出て来ました。

病児シッターさんのことはまた書きたいと思います。

 

事前にネットの口コミで病院のことを軽く調べたところ、評判は良さそうでしたが「とにかく待つ」とのこと。それもあって、ひたすら急ぐ。

 

病院ホームページの懇切丁寧な道順案内で、迷わず到着。

が。

 

広すぎて初診受付がどこにあるかわからない。

 

うろつくこと1分。受付を発見し、銀行とか郵便局の要領で番号札を受け取る。

数分後、受付から問診票を8枚(!)渡される。

その中には「ここ1週間の気持ちの辛さを表すグラフ」なるものもあり、そんなこと聞かれたら余計参るわと思いつつ、10段階中の「5」で回答。

受付作業完了後は、当院の研究にご協力いただける場合はこの紙に署名してくださいー、みたいな説明を受け、待合室へ。

 

貼ってあるポスターや置いてある本が「がん」一色で、あぁ、私もがん患者の端くれなのね、と複雑な思いに浸りつつ、夫を横にうたた寝しながら待つ(ある種の現実逃避)。

 

視力や眼圧の検査をへて、若い先生による診察。何言われたかあまり覚えてない。

そしてそこから待つこと数十分。専門医の先生による診察。

両目まぶたの裏側を丁寧に診察。

 

先生の説明は、だいたい以下の通りでした。

 

  結膜悪性リンパ腫
図5 結膜悪性リンパ腫
下眼瞼の結膜にサーモンピンク様と表現される隆起病変がみえる。

 

  • おそらく、MALT型と呼ばれる低悪性度リンパ腫であるが、検査してみないとなんとも言えない
  • リンパ腫の診断がついた後で全身検査を行い、他部位に腫瘍があるか検査を行う
  • 眼部だけに腫瘍がある場合には放射線治療を行うことが多く、80%以上治癒する。
  • 切除だけでも長期間寛解することがあるので、治療方針はよくよく相談させてほしい。
  • 悪性リンパ腫の診断がついた場合、眼以外の部位だと胃粘膜や骨髄などにも病変があるかを調べる必要があるため、念のため次回予約は血液内科とセットでとってほしい。

 

引用サイト

眼腫瘍 << 国立がん研究センター

 

検査のためには、目の症状が出ている部分を切り取る簡単な手術をする必要があり、今すぐでもできる、というので、じゃあお願いします、と言いました。

心の準備も何もなく怖かったですが、目には布を被せ、余計なものが見えないように最大限配慮してくださいました。麻酔の目薬&注射も打ちましたが、切り取る瞬間は結構痛かったです。術後、眼帯をして終了。

大したことない手術でしたが、片目しか見えない状態に慣れないこともあり、タクシーで帰宅しました。家についた後、どっと疲れが出て、そのまま寝てしまいました。

 

保育園から帰って来た息子は、私の眼帯を見ても動じることなく、

「ママ、おめめどうしたの?」

と尋ねてきました。

ちょっと今日、目を切っちゃったんだー。でも、明日になったらばんそうこうとっていいんだよ、と伝えると

「そっか、ねればなおるんだね!ママ、心配しなくてもいいよ」

 

…そうだよね、寝れば何だってよくなるよね。

息子の味わい深い励ましに、癒されました。

仕事を無理やり休んで、呆然とするばかりで何も先生に質問できない私を助けてくれた夫と、仕事をしつつ高熱の娘の面倒を見てくれた義母にも、心から感謝。

診察室に入ると頭が真っ白になる問題

先日、大病院の専門の先生のところで受診して来ました。

その詳細は別記事にまとめるとして、次回受診に向けて準備できることがないかと色々と調べていたら、興味深い記事を見つけました。

toyokeizai.net

これは笑い話ですが、実際に皆さんも、診察室や病棟での医師との会話で思考停止状態になって、本当のことを伝えられずにその場をやり過ごしてしまったという経験はありませんか?

…笑い話というか、普通にあります。自分の時も、子どもの時も。嘘をついたり隠し事をしようというつもりはなくても、忙しそうなお医者さんを前にすると、いろんなことを言い忘れるんです。

同じ特集の別記事で、こんな記述もありました。

toyokeizai.net

病気発覚後の患者には、次から次へと疑問がわいてくるのです。「わたしの病気は、一体どんなものなのだろう」「私の状態はどの程度なのか。その病気に対してどんな治療法があり、それにはどんな副作用がある?」「これからの経済的な負担はどうなるのか」「仕事は続けられるのだろうか」(中略)

それでは、今までの医療はどんなものだったのでしょうか。それは専門家に患者が「お任せ」する、依存的な医療であったということができます。患者は受け身で説明を受け、ただ同意をするだけ。医師のいうことには逆らえません。(中略)

1956年に、米国のサッシュ博士とホレンダー博士が論文に発表した医師(医療者)と患者関係のモデルによれば、病気の種類や状況に応じて、医師と患者関係は変わってくることを予言しています。


この表が作られたのは、60年も前のこと。それにもかかわらず、日本では現時点でやっと「説明ー協力」の関係の医療が出来つつある段階であり、まだ「協働作業」の医療は実現できていないことに驚かされます。(中略)

患者の側も医療者の側もその準備が充分にはできていないのが、現在の状況ではないでしょうか。

 今の段階で、この記事を読めて本当に良かった。

「どうしていいかわからない」と途方に暮れるのではなく、患者の側にできる準備作業として、これからは以下のことをしようと思います。

  • 調べる(一人ではなく、家族の力も借りる)
  • 整理する(限られた時間で、先生に何を確認したいのかを明確にする)
  • 治したい!という意思を持つ(病気になった、情報がない、という不安要素に支配されると、案外忘れる)

幸い、先生は繰り返し「治療方針については、一緒に相談していきましょうね」と、私たちと同じ目線でいてくださっている印象です。こちら側がしっかり準備しないと、せっかくのこのような先生の姿勢も無駄になってしまう。

病気を治すにも、努力が必要だ、ということを肝に銘じたいと思います。